私の夫は、自慢に聞こえそうですが、そうではありせん。大学卒業後、超一流企業に就職。私も社内結婚でした。


しかし、大企業には多種部門があり、夫や私の所属している部門は、採算が不安定で、社内でも問題視されていたのでしょう。数年たち、私は結婚して退社していましたが、夫の部門は本社から切り離されました。他社も数社、本社から同部門が切り離され、夫の会社も切り離し、その数社が合併し、一大企業となりました。


しかし、難しい商売であることに間違いなく、更に数年たち、ついに大量の早期退職者を募り始めました。

その頃、息子は小6で、中学受験の直前。それに、夫もまだ、自分は大丈夫という感じでいたので、私もとりあえずは、安心していました。


ところが、息子中1の6月、ボーナスがなかったことに衝撃を受けました。夫に相談せずに、近くでパートを始めました。夫は不機嫌でしたが、何も言いませんでした。


それから二ヶ月後、夫の早期退職が決まりました。そのとき、私は口角炎、外耳炎、皮膚炎、下痢など、たくさんの症状が出ました。やはり、ショックだったみたいです。


家にいるようになった夫は、精力的に再就活を始めました。会社が温情なのか、再就活をサポートする会社を無料で利用できるようにしたので、そこを利用したり。苦手な英語も図書館で勉強していました。


数社、会社の面接を受け、社長面接までたどり着くかわからないまま、未経験な分野の場合、必死で勉強していました。社長面接で2人だけ残されたときは、残酷だな、と思いました。残念ながら落ちてしまいました。せめてもの救いは、夫が早期退職にあまり動じていなかったこと、家族のために頑張ってくれたことです。


困っていたときに、以前と同じ仕事で、来て欲しい、という話が舞い込み、再就職しました。今の分野は不安定なので、避けてほしかったのですが、既に再就活から半年。年齢的にも余裕がないので、決めました。


あれから、私は細々とパートを始め、3年近くたちます。持病があるので、たいして働けません。それまでの専業主婦時代のような、手芸を楽しむような、優雅なのんびりした生活とは、一変してしまいました。


時折、そんなのんびりした暮らしが懐かしくなります。でも、ようやく今の生活にも慣れてきたのかもしれません。パート、休息、家事の繰り返し。パートは家でも無給で準備が必要ですが、役に立つことだし、割り切っています。できれば、もう少し、気持ちと時間に余裕があればいいのですが。


夫の再就職は、うまくいった方なのかもしれません。年収は6割近くになり、赤字なんですが。

年齢や状況で、再就職の方、大変かと思いますが、ご武運お祈りいたします。